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毎日歯みがきしていてもむし歯や歯周病にかかってしまうことがあります。それはセルフケアだけでお口の中の汚れをすっかり取り除くのは難しいからです。むし歯にかかったときには健康な歯質をできるだけ残すためにも早めの治療が大切ですが、それよりもおすすめなのがむし歯にかからないことです。年齢を重ねてもずっとご自分の歯で生活できるように、歯科医院での定期検診で、メンテナンスや予防につなげましょう。

Importance of prevention

予防の重要性

むし歯も歯周病も再発しやすいお口のトラブルです。むし歯を発症すると大切な歯が溶かされます。そしてその治療ではむし歯の原因菌に汚染された部分を除去してから補綴物(詰め物や被せ物)で補います。そのため、発症と治療、再発と再治療をくり返すと歯へのダメージが蓄積され、やがては歯を失うことにつながってしまうのです。

むし歯も歯周病の発症と進行のメカニズムがわかっているので、予防ができます。その基本は毎日の歯みがきで汚れをしっかり落とすことですが、そこに加えていただきたいのが歯科医院での定期検診です。歯科のプロフェッショナルによるメンテナンスを受けて、定期的にお口の中をチェックしたり、さまざまな予防処置を行ったりすると、お口の健康が守れやすいのです。実際に、定期検診の習慣がある方はそうでない方にくらべて年齢を重ねてからの残存歯数が多い傾向があります。

Maintenance is important to prevent the recurrence of periodontal disease

お口の中にはたくさんの細菌が存在します。長い年月をかけて細菌のバランスが築かれ、保たれている状態です。歯周病を発症して、その治療を終えたときには、お口の中の歯周病の原因菌は減少しますが、そのまま以前の習慣に戻ると、長い年月をかけて築かれた細菌のバランスに戻ろうとして、やがてふたたび歯周病の原因菌が増え、再発につながるのです。そのためとくに歯周病の再発を防ぐにはメンテナンスが欠かせません。

日本人はメンテナンスの意識が低い

日本人はメンテナンスの意識が低い

これまでの日本の歯科医療は、対処療法が中心でした。そのためほとんどの方は「痛くなったら歯医者に行く」という認識でした。また痛みをともなう治療が行われるイメージが強くて、通院を先延ばしにしてしまう傾向もありました。

しかし、アメリカやスウェーデンなどの歯科先進国では、歯科診療の主流は定期検診による予防です。むし歯や歯周病にかからないように、定期的に通院するのです。

日本でも「8020運動」が1989年に厚生省(当時)と日本歯科医師会によって提唱されました。それは、「80歳の時点で20本以上の歯を残そう」という運動です。そのために大切なのは、定期検診の習慣です。歯を失う原因のむし歯や歯周病を未然に防ぐためのさまざまな処置を行い、また、初期段階での早期発見・早期治療につなげて、お口全体の健康につなげるのです。

Maintenance benefits

  • むし歯・歯周病の予防・改善
  • 早期治療につながる
  • 医療費が抑えられる
  • 歯質を強化できる
  • 生活の質(QOL)を落とさずに済む
  • 認知症のリスクを減らせる など
むし歯と歯周病を防ぐためには?

むし歯と歯周病を防ぐためには?

1:原因を取り除く

むし歯と歯周病の原因菌が潜む、細菌のかたまりのプラーク(歯垢)を除去して、リスクを減らします。

2:リスクを知る

一人ひとり異なる歯並びやみがきグセを知っていただき、汚れをしっかり落とせるようなアドバイスをします。

3:継続的にケアする

口腔ケアの意識を高めて、「自分の歯は自分で守る」ことができるように定期的にサポートいたします。

Maintenance and home care

むし歯と歯周病の予防の基本はホームケアです。それは3ヶ月に1回の定期検診に通っていただくとしても、プロフェッショナルケアは年に4回ほどしかご提供できないからです。ご家庭でできるさまざまな工夫ポイントをご紹介します。

歯ブラシと歯みがき粉を選ぶ

歯ブラシは歯並びや歯肉に合わせて選ぶことが大切です。また月に1回のペースで交換しましょう。市販の歯みがき粉にもさまざまな種類がありますので、どのタイプがいいのかをご提案します。

デンタルフロスも活用する

歯と歯の間は汚れが溜まりやすい部位です。そこを効率よくきれいにするのに適しているのがデンタルフロスです。使い方に慣れるまでは時間がかかることもありますが、使い方を身につけて歯面をきれいに保ちましょう。

洗口液も使ってみる

むし歯も歯周病も唾液の分泌量が減少する就寝中に進行・発症しやすいので、眠る前のお口のケアはとても大切です。その際には、歯みがきだけでなく、洗口液も使い、気になる細菌の活動を抑えましょう。