dentures

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むし歯や歯周病、ケガなどで歯を失ったまま放置すると、歯が動き、噛み合わせのバランスがくずれてしまうリスクを負います。すると1本の歯を失っただけで、お口全体の健康が損なわれて、それぞれの歯に負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまう可能性があるのです。

失った歯の機能回復のための治療はおもに3つで、取り外し可能な入れ歯治療、となりの歯を支台にするブリッジ治療、そして人工歯根を埋め込むインプラント治療があります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、患者様に合う治療法をえらぶことが大切です。それぞれの特徴を知るために、こちらでは入れ歯治療をご説明します。

About dentures

入れ歯について

歯を失うと、食べ物が挟まったり、うまく噛めなかったり、発音に影響したり、見た目が悪くなったりします。そしてそのまま放置すると、歯ぐきが痩せて、まわりの歯が動いて、噛み合わせのバランスがくずれてしまいます。永久歯は親知らずを除いて28本ありますが、全体でバランスを取っていますので、それがくずれるとドミノ倒しのように全体の歯の健康がおびやかされるリスクを負うのです。

失った歯の機能回復のための治療のひとつが入れ歯治療です。しかし入れ歯には「あまり噛めない」「外れやすい」「見た目が不自然」などのイメージがあるかもしれませんが、最近では、歯科医療の進歩にともないさまざまな特徴を持ち、不具合を克服できる入れ歯も開発されています。

Types of dentures

入れ歯は残っている歯があるかないかで部分入れ歯と総入れ歯の2種類に分けられます。

部分入れ歯

部分入れ歯

歯が1本でも残っていれば部分入れ歯をつくります。お口の状態に合わせてつくるので、歯を1本だけ補うこともできれば、ほとんどの歯を失ったときにも作製可能です。残っている歯にバネ(クラスプ)をかけて安定させます。

総入れ歯

総入れ歯

すべての歯を失っているときにつくります。全部床義歯ともいいます。歯ぐきに吸着させて安定させるので、比較的入れ歯の面積が大きめです。

Advantages and disadvantages of dentures

メリット デメリット
  • 歯が1本抜けたときにも、すべての歯を失ったときにも治療可能
  • 保険診療の入れ歯を選べるので、治療費用を抑えられる
  • 外して汚れを落とせる
  • 壊れても修理ができる
  • 唇や顔のふくらみや張りを回復できる
  • 治療期間が比較的短い
デメリット
  • ほかの治療法のブリッジやインプラントと比較すると違和感がある
  • ほかの治療法よりも噛む力が弱め
  • 噛み合わせが悪いと外れやすい
  • 顎の骨が痩せると合わなくなる
  • 定期的な修理や調整が必要
  • 部分入れ歯は見た目が不自然なことがある
  • 部分入れ歯はバネをかける歯に大きな負担がかかる

Dentures for insurance and self-financed medical care

入れ歯の分類は、部分入れ歯と総入れ歯だけでなく、保険診療と自費診療にも分けられます。保険診療は患者様の治療費負担が一部なので比較的安価です。そして全国どこでも同じ素材を使い、同じ方法で作製されます。いっぽう、自費診療の入れ歯は素材にも作製方法にも選択肢があります。治療費用の全額を患者様が負担しなければなりませんが、「見た目」や「装着感」「噛み心地」にこだわることが可能です。

「噛む」ことで健康につなげるために

食べることは栄養補給に欠かせませんので、「噛める」ことは大切です。そして「食べること」は日常生活での楽しみでもあります。そのため、食べ物の食感や温度を感じにくいと、食事の楽しみが半減してしまい、そのうえ「噛みにくい」と大きなストレスを感じてしまいます。

食べたい物を楽しく食べて、ストレスなく栄養を取り込むことが健康につながります。また、噛むことで脳に刺激が伝わり、血流量も増えるので脳が活性化します。噛み合わせが整っていれば全身のバランスにもよい影響を与えるので、その点からも健康につながるのです。たんに「噛めればよい」のではありません。「噛んで健康になる」ことを目指します。

入れ歯の使い心地の違い

※表は左右にスクロールして確認することができます。

保険診療 自費診療
違和感 やや違和感がある 違和感を少なくつくれる
外れやすさ やや外れやすい 外れにくくつくれる
噛み合わせ 不具合が起きやすい 整えやすい
見た目
(部分入れ歯)
金属のバネ部分が目立つ バネを使わないことも可能で、
目立たない素材を選ぶことができる
見た目
(総入れ歯)
やや不自然 自然な歯の色や歯肉の色を選べる
発音 やや発音しづらい 発音に支障がないようにつくることができる
耐久性 耐久性は低い反面、
調整や修理が比較的かんたん
耐久性が高い素材を選択できる

Cost

義歯・入れ歯
保険診療
レジン床義歯 7,700~12,200円
自費診療
ノンクラスプデンチャー (4歯まで) 基本は115,000円(税込)
5歯以上は1歯増すごとに +5,000円(税込)
ホワイトレスト1本 20,000円(税込)
金属加工代 30,000円(税込)
治療用デンチャー 基本は15,000円(税込)